横須賀市 さいとう矯正歯科 当院で使用する矯正装置

当院で使用する矯正装置

当院で使用している矯正装置を紹介します。

目立ちにくく、痛みの少ない矯正装置を使用したい。

ここで紹介する矯正装置とは、最も一般的なワイヤーを使用する矯正装置のことで、マルチブラケット装置といわれています。
写真は、金属製の装置で、一般的に矯正装置はこのようにギラギラしたイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

まず、ブラケットと呼ばれ、歯に接着する装置について説明いたします。
さいとう矯正歯科クリニックでは、「クリッピーC・OPA-K仕様」というブラケットを使用して矯正治療を行っています。

歯の表面に接着し、ワイヤーで歯に移動力を加えることにより、歯の移動を行う装置です。
この装置は専門用語でエッジワイズ装置と呼ばれ、西暦1928年に発表された装置が原型となっていますので、非常に昔から使用され、現在も改良が続いています。

ブラケットという装置は世界各社から、アメリカ製品が中心となり、大変多くの種類が発売されています。
ただ、日本という特殊な地域に向けられて開発された装置が、少ないのが事実です。
それでは日本がなぜ特殊なのか、詳しく説明します。

  • 矯正装置が目立つことを世界で最も嫌う国であること。
  • 世界で最高水準の製品やサービスで溢れているので、要望が高い。
  • 人種的に、顔が縦に細長く、前後の幅が小さいので、歯が並ぶスペースが少ない人が多くなります。欧米人とは顔の形や歯の角度が大幅に違うため。
  • 極端に歯並びが悪い人が多く、矯正装置を装着した際に、加わる矯正力が強くなるため、痛みを感じる人が多い

海外では、金属の装置をギラギラさせて、街を歩く人を多く見かけますが、日本では、装置を付けている人が少なく、また付けているとしても、白い装置を付けていることがほとんどです。

矯正治療は世界中で行われている一般的な歯科医療といえますが、日本の特殊な国民に向けられた装置を開発しても、市場が小さいため製品開発を行う製造会社が少ないのです。

そこで当院では、矯正装置を製造している数少ない国内メーカーであるトミー・インターナショナル社製のクリッピーという装置を使用しています。

その理由を具体的にご説明します。

(1)歯の移動効率が良い。

以前の矯正装置では、ブラケットとワイヤーを固定する際に、細い結紮線という針金を使用して、縛り上げて固定していました。

そのため、ワイヤーとブラケットが強く固定されてしまい、歯が動こうとしても、摩擦抵抗が強く動きにくいために、強い矯正力を付加し、歯の移動を行っていました。

クリッピーは、ブラケットの表面に開け閉めのできるシャッターが付いていて、このシャッターにより、ワイヤーを固定します。
シャッターを閉めてワイヤーを固定しても、装置とワイヤー間に隙間があり、摩擦抵抗が極めて少ない装置となりました。
このシャッターが付いている装置は、デーモンシステムという装置が発売されたことにより、一般的に普及し、日本向けに改良された装置が「クリッピー」です。

ワイヤーを固定する際にも、針金で1本ずつ締め上げるより、シャッターを閉めるだけです。
その結果、治療時間を大幅に短くすることができるので、患者さんも快適です。

(2)見た目が綺麗で目立ちにくい。

このブラケットは日本で作られているので、見た目にも大きな特徴があります。 金属の装置を前歯に付けるのはNGであることは、いうまでもありません。

白い装置を付ければ目立たないかというと、それも少し違います。
永久歯は黄色くやや暗い色をしているのが普通ですので、真っ白な装置を付けると逆に浮き出て目立ちます。

その点、クリッピーの前歯に付けるブラケットはセラミックでできているので、白く半透明です。
半透明なので、歯の色が透けて見えるので、ブラケットが白く浮き出て目立つことが少ないのです。

またセラミック以外に、シャッターの部分は金属でできています。
金属のシャッターはロジウムコーティングという特殊なメッキが施され、目立ちにくいような製品になっています。

このロジウムコーティングは、歯の色に近く、歯に自然になじむので、金属を使用している装置にも関わらず、目立ちにくく、移動効率も良い装置かと思います。

(3)痛みが少ない。

「クリッピーは痛みが少ないブラケットなのでしょうか」という質問をよくいただきます。

これは比較検討したのではないので、絶対とは言えません。

ただし、クリッピーの構造としてシャッターでワイヤーを緩く固定することにより、矯正力の弱いワイヤーでも、十分歯が動きます。

具体的に説明すると、通常のブラケットであれば、ワイヤーとブラケットを強く固定してしまうので、ブレーキを握りながら自転車を走らせているようなイメージで、クリッピーは逆にブレーキを離して自転車を走らせているイメージです。

当然ブレーキを離して自転車を走らせる方が、弱い脚力で走らせることができます。
矯正力を弱くすることが痛みを少なくするということは、統計学的に証明されたことではありませんが、クリッピーは、矯正力を弱くすることができるので、矯正治療による痛みが少ないことを、治療をする立場からの経験で強く感じます。

(4)日本人の骨格に合わせて、研究開発された装置であること。

日本人と欧米人では顔の特徴が異なります
日本人は縦長で前後の幅が小さく、前歯が前方に傾斜しています。

日本人の骨格や歯並びに合わせた装置として、20年ほど前に開発されたマルチブラケット装置(OPA-K)がありましたが、シャッターのない、古いタイプのブラケットのみしかなく、現在のクリッピーのように目立ちにくくシャッター付きで、日本人に合わせて製造された装置が発売されていませんでした。

このことを製造会社である株式会社トミー・インターナショナルに要望を続けたところ、ようやく発売されることが決定しました。
今後は日本人の特性に合わせたクリッピーを使用していく予定です。

(5)頑丈で壊れにくいこと。

矯正装置は、耐久性が必要とされます。
それは矯正装置を付けて「食べ物を噛む強い力」を耐えなければならないのです。

金属製の装置であれば、丈夫で精密な製造が可能です。しかし金属の装置では目立ってしまうので、前歯にはセラミックや硬化プラスティックなどの材質で作られる装置を使用しなければなりません。

セラミックは硬さがあるのですが、強い力を付与すると割れる性質がありますので、以前使用していた装置は、ワイヤーを装着すると、装置が壊れて付け直すことが、しばしばありました。

クリッピーは、セラミックで製造されていますが、今のところ破損は少なく、長年矯正装置を使ってきた経験上、目立ちにくく耐久性もある装置だと考えています。

今後も、世界中の会社で矯正装置の研究開発は続きます。
当然現在使用しているクリッピーよりも、良い製品が発売されれば、予告なく矯正装置を変更することがあります。

使用するワイヤーについて。

ブラケットだけでは、歯は動きません。実際に歯に移動力を付与するのは、ワイヤーの仕事です。
矯正治療用ワイヤーも、古くから研究開発がなされ、新製品が発売されています。

ニッケルワイヤー

マルチブラケット装置を装着して最初に装着するワイヤーは、ニッケルチタンワイヤーという形状記憶合金を使用します。
このワイヤーは非常に柔らかく、弱い力を持続的に発揮しますが、歯科医師の手で曲げて自由な形状に変えることはできないので、あくまで製造された状態そのままで使用します。

治療の初期は、ゆっくり大雑把に歯の移動を行うので、曲げることができないことは問題がありません。このニッケルチタンワイヤーですが、細いワイヤーほど付与される矯正力が弱くなりますが、逆にワイヤーが折れやすくなります。

治療の初期は、歯に大きな凸凹があり、ワイヤーを装着すると強い矯正力がかかってしまうので、当院では現在発売されているニッケルチタンワイヤーの中で、最も細い直径0.010インチのワイヤーを使用し、治療初期の歯に加わる矯正力を、極力弱い矯正力で治療を開始します。

治療中期になり、ある程度歯が並んでくると、硬いワイヤーを使用することがあります。
この時に使用するワイヤーは、ステンレス・スティールやコバルト・クロム合金で製造されたワイヤーを使用します。この2種類のワイヤーは古くから使用されていて、通常の矯正治療では一般的に使われています。

ゴムメタル・ワイヤー

最後に紹介するのが、ゴムメタル・ワイヤーと呼ばれるワイヤーです。
このワイヤーは最新であり、しかもチタンやレアメタルも使われており、矯正治療で使われるワイヤーで最も高価なものです。

矯正治療が進行し、太いワイヤーに交換をすると、当然強い矯正力が加わります。
ゴムメタルはその名の通り、ゴムのようにしなやかで柔らかく、逆に強度があり、摩擦抵抗が少ないだけでなく、歯科医師が自由に曲げて、ワイヤーを変形できるので、矯正歯科治療においては、理想のワイヤーといえます。最大の欠点は高額ということでしょうか。

このゴムメタルは、治療の終盤に仕上げとして使用することが多くなってきました。
最近テレビで、このゴムメタルを使用すると、矯正治療期間が短くなると放送され、大反響がありましたが、統計学的な根拠は全くありません。

しかし治療する歯科医師の立場として、治療の終盤で、太いワイヤーになっても、弱く持続的に矯正力を付与することが出来るので、痛みが少なかったり、調整する回数が少なく出来るというメリットは感じます。

ゴムメタル・ワイヤー(ロッキーマウンテンモリタ社)

初診予約、ご相談はこちら