セカンドオピニオンでの注意点
矯正治療がある程度進んだ途中に、本当にこの治療で大丈夫なのかを確認するために
他の歯科医院でセカンドオピニオンを受ける場合があります。
多くの場合、担当医との信頼関係が崩れているために
他の歯科医院で矯正治療を受けたいという希望があるからでしょう。
セカンドオピニオンを受ける前に、担当の歯科医師に対して、不安を感じている点などの率直な質問をするようにしてください。
多くはちょっとした誤解から不安を感じてしまうので、
セカンドオピニオンを受ける前に、不安が解消できるのが最善と言えます。
ご納得できる回答がなければセカンドオピニオンを受けるのも一つの解決方法です。
ここで一番注意しなければならないのが
信頼できる歯科医師にセカンドオピニオンを聞くのということです。
言われるまでもないですよね。
ここで信頼できる歯科医師とは、矯正治療の経験が豊富ということです。
多くの経験から、「出来ること」「出来ないこと」を説明してもらえます。
経験があると、どのようなことを患者さんが不安に感じているのか、理解できていますので
分かりやすく説明してくれるでしょう。
私も1年に数回セカンドオピニオンを聞かれる場合があります。
安直な発言は、担当医と患者さんの信頼関係を破壊して、患者さんにとって大きな損失になってしまうことがありますので、慎重に考えながら説明をしています。
最も重要なのは、担当医と患者さんの信頼関係を修復することです。
ですから今までの治療に関して、批判的な意見を言うことは、まずありません。
私にセカンドオピニオンを依頼されても、批判的な発言をしないことに不満を感じる患者さんもいますが、
患者さんにとって、矯正治療を受ける歯科医院を代えるのは、経済的な面からも、患者さんには不利益なことだと考えているからです。
信頼できる先生は、安直に担当医の批判をしないでしょうし、前担当医の悪口を言う医師であれば、私は信頼しません。
しかし前当医と患者さんの信頼関係をあえて破壊して、自分を優秀な歯科医師と表現する場合も多いのが、悲しい現実です。
セカンドオピニオンを受ける上で、一番してはならないことは、矯正治療が出来ない歯科医師に意見を聞くことです。
セカンドオピニオンを発言するからには、発言した内容の治療を自分が責任を持って治療を行うのが当然です。
自分ができもしない治療なのに、担当医を批判して患者さんに不利益を与えてしまうのは
歯科医師としてではなく、人間的にも信頼できません。
もしセカンドオピニオンを聞く機会がありましたら、その歯科医師が治療を引き継ぐ能力があるかどうか必ず見極めてください。
この見極めのために、歯科医師が日本矯正歯科学会認定医や専門医を取得しているかどうか、一つの目安として考えてください。
院長 斎藤伸雄