鼻呼吸と口呼吸について
人は鼻から呼吸をすることで、空気中のホコリや細菌などの異物を、副鼻腔の機能により除去しています。
鼻から呼吸することを鼻呼吸(びこきゅう)といいます。
口呼吸(こうこきゅう)とは、鼻で呼吸することができないため、口で呼吸をしている状態をいいます。
鼻呼吸に比べて口呼吸を続けていると、ホコリや細菌により風邪をひきやすくなります。
お口の中は乾燥し、自浄作用(唾液による洗浄効果)が低下し、歯肉が腫れやすくなります。
他にも、朝起きると喉が痛い、唇が荒れる、口臭がする、などのさまざまな症状が現れる場合があります。
また、いつも口をポカーンと開けていると、外見的にも良くないでしょう。
口呼吸の原因は
①アデノイド(咽頭扁桃肥大)や口蓋扁桃の肥大、アレルギー性鼻炎、蓄膿症などによるもの(鼻がつまるので鼻呼吸が不可能になる)
②上顎前突(出っ歯)などの歯並びによるもの(歯が前に出ているため唇が閉じづらい)
③鼻咽頭疾患はないが、幼い頃から習慣的に口呼吸を継続しているもの
口呼吸をしていると、口をポカーンと開け、唇を閉じる力が弱くなってしまいます。
また、舌も力なく横に平べったくなりやすいです。
そのため、上顎前突になったり、すきっ歯になることがあります。
鼻咽頭疾患がない場合は、矯正治療で歯並びを整え、鼻呼吸の習慣を付けるトレーニングをすれば改善が可能です。
しかし、鼻咽頭疾患が原因の口呼吸の場合、トレーニングだけで口呼吸を改善することが難しく、耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
歯科衛生士 高橋愛子