上顎前突を治療する目的で使われるヘッドギア
学童期の矯正治療で、上顎前突を治療する目的で使われる装置の代表がヘッドギアです。
これは矯正治療ではよく用いられるポピュラーな装置で、その歴史は古く、1875年にKingsleyによって使用されたという報告があります。
今回はこのヘッドギアについて詳しくご説明致します。
ヘッドギアとは?
頭や首を固定源とする顎外(がくがい)固定装置で、上顎や上の奥歯を後ろに下げたり(遠心移動)、
上に引っ張ったり(圧下(あっか))して歯並びを良くします。
上顎前突や上顎前突になりそうな患者様に使用することが多いです。
どんな構造なの?
上の奥歯に付けた固定式の装置と太いワイヤーでできた「フェイスボー」をつなげ、これを頭部の帽子のような装置「ヘッドキャップ」に装着して使用します。
どんな種類があるの?
上の奥歯を上方に引っ張るタイプはハイプルヘッドギアと呼ばれます。
これは後頭部の方向に歯を引っ張ります。
上の奥歯を後下方に引っ張るタイプをサービカルヘッドギアといいます。
首の後ろの方向に歯を引っ張ります。
いつ使うの?
基本的には夜寝る時に使用しますが、できるだけ長時間使用した方が効果が期待できます。
ヘッドギアは患者様自身で取り外しをして頂くため、患者様の協力が必要不可欠です!
そして使って頂かなければ、効果を全く期待できません。
当院では主に小学生の患者様がこの装置を使っていますが、有難いことにみなさん、毎日真面目に使って下さいます。
そして、最初は苦労していた取り外しも、3~4カ月も経てば、とても上手になって、鏡がなくてもささっと付けられるようになっています。
すばらしいですね!!ご協力ありがとうございます(^-^)