簡単には決めらませんよ矯正の治療方法
院長の斎藤伸雄です。今回は矯正治療開始時に、どのように治療方法を決めるかを紹介します。
治療方法を決めるのは、治療を担当する矯正医にとって、最も重要な仕事といえます。
それでは、矯正治療を始める順番から紹介します。
最初に受けていただくのが、初診相談です。
この時は、歯並びの状況を、写真撮影のみを行い、説明していきます。
過去の経験から、どのような治療を行うかを大雑把に説明します。
初診相談では、精密検査を行わないので、治療方法の決定は出来ません。
多くの患者さんが、初診相談で、治療方法が決まると思っていますので、ここは大事なところです。
情報と考える時間がない状況で、治療方法を決めることは出来ませんので、理解してください。
初診相談は、
「治療を始めるか決まらない、治療方法は決まらない」ということを前提で、
矯正治療の、流れやリスク、料金などの概要を説明し、
「有料の検査の予約」をするか、検討していただきます。
検査では、
歯のレントゲン
横顔と正面からの、顔面骨格を計測するセファロというレントゲン
3次元的なレントゲン画像を見ることができるCT
歯の石膏模型
歯の模型と口の中の立体的な情報を、スキャナーを使用してデジタルDATAとして保存することもします。
これらの検査結果から、矯正治療方法を、時間をかけて考えます。
矯正治療は、歯並びだけで決定できるものではなく、個々の歯の状況を確認します。
つまり、虫歯などで痛んでないか、治療してある歯は、今後も使用できるかなどを見ていきます。
レントゲンやCTなどで、歯根の状況を確認します。
歯を支える歯槽骨の状況を確認します。
顔面の形態を、横顔方面と正面方向から撮影したレントゲンを計測することにより把握します。
写真や石膏模型から、実際に目で確認して、歯の位置や歯肉の状況を確認します。
いろいろな、検査した情報から、実際にスキャンした歯の3次元的な位置から、矯正治療後の歯の位置を想定して、歯を並べます。
コンピューターでは、数種類の治療方法を想定し、複数の治療方法から、どの治療方法を選択するかを、考えます。
治療方法の検討は、診療時間中にはできませんので、昼休みや診療後、または休診日に一人事務所に籠って、治療方法を検討させていただきます。
患者さんは、検査の次の来院時に、歯の現状と治療方法について説明を聞いていただきます。
この時に数種類の治療方法を提案することが多いので、治療方法の違いによって、治療結果の違いや、利点欠点を理解していただきます。
治療方法が複数ある場合は、どの治療方法を選択するか、悩む患者さんが多く、決められなくて、期間が過ぎていくこともあります。
患者さんが治療方法を選択することができましたら、これで治療方法が決まります。
このように簡単に、治療方法を決めることができないことを、ご容赦していただければ、幸いです。