歯の再生方法について
先日iPS細胞を使用した世界初の手術が話題になりました。
再生医療に注目が集まっていますが、歯の再生はどこまで進んでいるのでしょうか?
今回の豆知識では歯の再生についてお話しさせていただきます。
歯ができるまでにはとても複雑な過程を経ます。歯の再生にはまずその歯ができていく過程を解明していくことが不可欠です。歯ができるまでにはたくさんの遺伝子が関わっており、遺伝子はお互いに働きかけながら歯を作り上げていきます。
遺伝子はそれぞれ独自の働きをもち、ひとつ遺伝子が働かないだけで歯ができなくなってしまうこともあります。こうして歯の再生に関わる遺伝子の働きをひとつひとつ解明していくことが歯の再生へとつながっていくわけです。
現在、辻孝先生の研究グループがマウスの歯の再生に成功しています。
ヒトで応用できるのはいつになるのか…というと、残念ながら数十年後になるということですが、確実に歯の再生が可能な日は近づいています。
矯正歯科においても、永久歯の数が少なかったり、大きな虫歯によって根っこに病気ができていたりと様々な問題に直面することがあります。歯の再生が可能になれば、矯正歯科治療もよりいい選択肢が増えていくかもしれません。
歯学博士 木原槙子